プロレス多事争論
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プロレス多事争論「昔の新日本プロレスではない」
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— 伊賀プロレス通信24時 (@igapro24) 2018年3月2日今朝ターザン山本氏が
今の新日本プロレスは猪木さんが旗揚げした新日本プロレスとは似ても似つかないもの。それで今日、3月6日、大田区体育館で興行をする? 失礼だ。ふざけんなだよ。
— ターザン山本! (@tarzany) 2018年3月5日とにかく新日本プロレスの会社名を変えろ。目障りだ。
— ターザン山本! (@tarzany) 2018年3月5日ブシロードプロレスでいいじゃん?
— ターザン山本! (@tarzany) 2018年3月5日と発言したが、自分からしてみれば時代錯誤、昔の新日本ではないから看板は返上しろは筋の通らない話だと思う。
時代も変われば人も変わる、また組織も変わって来る。新日本の看板を返上して誰に返すのか?猪木なのか?この発言の元とされる新間寿氏なのか?猪木や新間氏がいないから新日本プロレスではないのか?、結局二人がいなくなっても新日本プロレスは残った。産みの親がいなくても産み出したものは立派に育っているのだ。
山本氏の発言は誰かに感化されたものなのだろうが、その誰かが古い論理を振りかざすして子殺しをしようとする。けど子殺しを受けようが新日本プロレスはたくましくなり、ここまで回復してきた。今の新日本はそういった人たちに揺さぶられる組織ではもうないのだ。
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プロレス多事争論 2017年のラストメッセージ「文化」
昨年から転職し土日祝と休めるようになったことで、今年から観戦回数を増やし、これまで観戦してきた新日本、全日本、NOAH、DDT、大日本以外にも我闘雲舞、ドラディション、東京女子プロレス、ガンバレ☆プロレス、NEW、センダイガールズを初めて観戦し、また久しぶりにDRAGON GATE、WWEなども観戦するなど自分なりに視野を広めてきたが、改めてプロレスは「文化」であることを痛感させれた。
自分がプロレスファンを始めた頃は新日本プロレスと全日本プロレスしかない世界だったが、2つしかなかった世界がこれだけの広がりを見せ、自分は広がった世界を否定しつつも、好奇心から広がった世界を見て、各団体ごとのスタイル=つまり文化が見ることが出来た。ある意味長くプロレスファンを続けられた一つの秘訣だったのかもしれない。
自分なりのアドバイスだが、プロレスファンを長く続けたいのであれば、贔屓の団体だけでなく、外の団体にも触れ、その団体の文化というものを見ること、そうすることで視野を広げて欲しいということ、自分もまた時間を許す限りはどんどん現場へ出たいと思う。また見たことのない団体、久しく訪れていなかった団体などを訪れて視野を広げたい。(来年はスターダム、WRESTLE-1、BASARA、K-DOJO、道頓堀プロレスなどがあれば観戦したい)
さて今年の伊賀プロレス通信「日常茶飯事」の更新も緊急事態がない限りこれで終了、今年は自分なりに様々な経験をさせてもらった1年であり、上井文彦さんとも知り合い、様々なイベントにも出席、またDDTではアイアンマン王座にも挑戦、大日本では嵐の中でプロレスを野外で観戦、ヘラクレス千賀には頭から水を被せられ(おぼえてろ!)週刊ファイトさんのネットラジオにも出演してグタグタになるなど、いろんな経験をさせてもらいました。本当にみなさんありがとうございました。
来年は元旦から更新を開始します、では良いお年を…
贔屓の団体以外の団体を観戦したことがありますか?
— 伊賀プロレス通信24時 (@igapro24) 2017年12月26日 -
プロレス多事争論「UWF」
今年は『1984年のUWF』が出版されたことで、UWFとは何かを検証された1年だった。
『1984年のUWF』に関してはNumbersの連載を時折り読んでいたこともあって買わなかったし深くも見なかったものの、内容的には前田日明は確実に怒るだろうと思っていたら、思っていたとおり前田が怒り「証言UWF」が出版されるきっかけになった。
自分にとってUWFとは何か?今でもジャイアント馬場、アントニオ猪木のB・Iの時代が続いたことで、何か変えて欲しかったというムーブメントみたいなもので、そのカリスマの代表格に前田日明が祭り上げられ、前田もUWFを通じてマット界を変えようとし、自分も含めたファンも前田に何かを変えて欲しいと期待していたが、現実の前にUWFというムーブメントは消え去ってしまった。
『証言UWF』を読んだが、前田にとってUWFとは何か?同じ理想郷に集まった仲間たちの集まりで、前田はその仲間たちを守りたかったが、仲間を思うがあまりに前田は仲間たちの本音には気づかず、気づいてみれば前田は独りぼっちになっていた。
UWFから自分が学んだことは、今思えば理想と現実で、現実の前に理想郷は崩れていった。それを思い知らされたのは前田だけでなく、UWFを見てきたファンだったのではないだろうか…
前田は新たなるUWF本を出版するが、自分は読むかどうかわからない。わかるのは今更振り返っても、あの時代はもう帰ってこないということ、UWFは今でも自分の中では青春時代の1ページでもある。
今年UWFが話題になりましたが、どの本を買いましたか?
— 伊賀プロレス通信24時 (@igapro24) 2017年12月23日 -
プロレス多事争論「一線」
今年の3月から本間朋晃、4月に柴田勝頼、5月に高山善廣ら中心選手による、生命に関わる試合中の事故が続発し、プロレス技の危険性やコンディション調整の是非を問われた1年てなった。
プロレス技に関しては以前にも語った通り、どんな技でも安全な技もなく、世の中全てが使い方によっては危険なものに変わる。事故の度に技やプロレスに対する否定の声が出てくるが、本当に安全なものが世の中にあるのか?それを考えると一番危険な存在は、自分ら人間なのかもしれないが、一番最も怖いのは安全と危険の境目を越える一線を越えることで、新日本でも時折り一線を越えようとするヒヤリとするシーンも目立つようになってきた。現在の新日本プロレスを四天王プロレス時代の全日本プロレスと同じだという声も聴くが、三沢光晴のプロレスを長年見てきた自分が言えることだが、全くの別物である。しかし一線を越えることが現在の新日本プロレスに必要なことなのかどうかも、考えなければいけないのではないだろうか・・・
コンディション調整に関しては、大日本プロレスが選手の休養システムを新しい試みをしようとしている。昭和の時代は年俸契約ではなく、試合数契約で試合を数多くこなしてナンボの世界だった。しかしそれは新日本プロレスやDDTのように選手層が厚く、経営基盤がしっかりしている団体だからこそ出来るシステムで、経営基盤がしっかりしてない団体は、そうも言ってられないというのが本音だと思う。
また新しいシステムが導入することで、事故がなくなるわけでもなく、人間が作ったシステムは常に完璧ではなく、試行錯誤の繰り返し、しかしまたそれも現実であるのだ。安全と危険、紙一重だと思いますか?
— 伊賀プロレス通信24時 (@igapro24) 2017年12月16日 -
プロレス多事争論「広がる夢」
自分は以前に「一スター選手による個人商店的なプロレス団体の時代は終わり、団体の看板の価値を高めるブランド力の時代となった」と書いたが、DDTのサイバーエージェント傘下入りは、まさにブランド力の時代から一歩先を進めた時代へと突入したことを印象付けた事件だった。
DDTはこれまで春、夏と行われてきた両国のビッグマッチを秋にも開催することになって、年に3回に拡大。そして月一で開催されていた後楽園大会をAmebaTVで毎月による中継、DDTの女子プロレスブランドである東京女子プロレス1・4後楽園大会を生放送が決定するなど、サイバーエージェントという力を得ることによって、DDTはますます大きく発展しつつある。
新日本プロレスは低下していたブランド力をユークスが杜撰だった経営を健全化することで再生させた上でブシロードに譲り渡し、ブシロードの力によって新日本はブランド力を高めていった。DDTの場合は経営にも長けた高木三四郎大社長による健全経営によって成り立ってきたが、元々高かったブランド力を更に発展させるために、敢えてサイバーエージェントの傘下に入った。これからはますますネットの需要が多くなるだけに、DDTにとっても将来を見据えての傘下入りだった。
そして来年から年に2回開催されてきた国技館でのビックマッチを年に3回に拡大することで、一気に大攻勢をかけてきたが、サイバーエージェントの力を得たことが正しかったどうか示される意味では、DDT全体にとっても勝負の年にもなり、またDDTのプロレスが地方に広がりを見せるかどうかということも忘れていけない課題で、、昨年まで開催されてきた大阪でのビッグマッチが不入りに終わり、今年は開催されず事実上一時撤退状態となったことで、新日本と比べてDDTはまだまだ認知されていない示される結果となっただけに、DDTとネットによってどれだけ広がりを見せていくか、来年のDDTは大きな勝負を迎える1年になる。
自分はDDTのプロレスを2007年名古屋で開催された「愛プロレス博」で「マッスル」を含めて初めて見たときに、従来のプロレスとは違ってこんな面白い世界があったのかと思ってこれまで見てきたが、10年が経過してここまで大きくなるとは思っても見なかった。DDTは東京ドーム進出を視野に入れているが、一度DDTのドーム大会を見てみたいという気持ちが強くなっている。果たしていつになるか、じっくり待ってみようと思う。
サイバーエージェントの傘下となったDDTは更なる発展をすると思いますか?
— 伊賀プロレス通信24時 (@igapro24) 2017年12月10日 -
プロレス多事争論「しくじり」
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— 伊賀プロレス通信月間MVP (@igapro24mvp) 2017年12月3日今年の流行語は自分的には「しくじり」を挙げたいと思っている
今年で旗揚げ10周年を迎えたIGFだったが、アントニオ猪木の「整理」発言をきっかけに、分裂という形で10周年を迎え、表向きは係争中も冷戦状態が続き平行線の状態となっている。IGFの騒動は一体なんだったのかというと、猪木の側近がIGFから現在の夫人を中心とするコーラルZに入れ替わっただけのことで、猪木がサイモン氏が湯川氏に付いたことで自分の言うことを聴かなくなったと判断して切り捨てただけのこと、サイモン氏は猪木に警告文と称して行状を告発し、猪木のWWE殿堂入りや正解復帰などは自身の功績としているが、中邑真輔の猪木への挑戦発言の対応、藤田vs暴走王の失敗、MMA路線の失敗、マカオ大会の中止など、功績以上に"しくじり"もしてきており、猪木がサイモン氏を追い出す理由はそれなりにあるのだ。
IGFは一体なんだったのか、猪木が新日本プロレスで否定された総合格闘技プロレスを示す場でもあり、また成功することで自身が正しかったことを自ら新日本だけでなくマット界全体に知らしめたい場でもあった。しかしK-1、PRIDEなどの格闘技ブームが日本では衰退し、これまで馬場と猪木が全てだったマット界が、DRAGON GATE、DDT、大日本プロレスなど新しいスタイルのプロレスがファンに認められたことで、これまで巨大だった猪木という存在がIGFという小さな枠内だけに留まるようになった。いや猪木が格闘技ブームにのって格闘技路線を推進し、新日本プロレスを自ら捨てた時点で完全に時代というものを見誤った。それが猪木のIGFでの一つ目の”しくじり"で、サイモン氏は薄々わかっていても口にすることはなく、ただ自身のビジネスのために猪木の独占することだけしか考えていなかった。猪木のIGFにおける二つ目の”しくじり”は周囲の本音に気づいていなかったことではないだろうか。
猪木は自身が正しかったとしてIGFからサイモン氏を追い出そうとしたが、追い出すことが出来ず、新たなる側近と共に、格闘技イベントISMをスタートさせたが、それもまたしくじりなのか、結局個人のプロモーションレベルで終わってしまっている。だが猪木の中では何度もしくじりをしてきたことから、しくじりとも思っていないのかもしれない。わかるのは猪木を見ての教訓は「しくじりこそ、人生の一つであり」、長い人生の中で過去のしくじりも1ページぐらいにしか考えていないのかもしれない。ただ猪木がYESと言ったとしても、周囲によってNOとされる現状は変わらず、猪木の現在の居場所も、本人にとって本当に自身が望んだ居場所なのかどうかもわからない。そしてISMが表向きは超満員札止めとしても国技館のみならず、後楽園ホールですら空席だらけの現状を見ると、マット界では完全に小さな存在になってしまった。
しかし猪木を去った後のIGFは”自分らには一度もしくじりなどない”といわんばかりに、猪木がいなくなったのにも関わらず、威厳を示し、しくじったとしても責任転嫁して認めないなど、結局猪木がいたときと全然変わっていない。サイモン氏らは「猪木から学んだものを示す」としているが、一体猪木から何を学んだのだろうか…今年の流行語大賞が選ばれましたが、「しくじり」も流行語だと思う
— 伊賀プロレス通信24時 (@igapro24) 2017年12月3日 -
プロレス多事争論「終わりからの始まり」
今日で高田延彦がヒクソン・グレイシーに敗れて、ちょうど20年が経過、高田vsヒクソン戦は「プロレスの最強伝説」が終わった日でもあった。
自分は後日試合を見たことで高田が敗れたことは対岸の火事にしか感じていなかったが、"最強"と謳われていた高田が敗れたインパクトは大きく、プロレスマット界を大きく引きずるものになっていった。
ジャイアント馬場さんはK-1、PRIDEなどを「メディアに乗ったブームに過ぎない」と斬って捨てたが、メディアが大きく扱うことでプロレス界も大きく意識せざる得ず、また馬場さんの死去と、アントニオ猪木体制の新日本プロレスの凋落で、一時は格闘技によって馬場、猪木が作り上げたプロレスは否定されそうになっていた。
しかし格闘技ブームが廃れると、新しい流れを汲むプロレス団体が台頭し始め、新日本プロレス、全日本も今でも残っている。今思えば高田vsヒクソン戦は、馬場と猪木によるB・I体制のプロレスから新しい流れ作るきっかけになった試合だったのではと思っている。
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プロレス多事争論「企業プロレス時代」
サイバーエージェントがDDTプロレスリングを買収、傘下に収めたことでプロレス界は「企業プロレス」時代の到来といっても過言ではなくなった。
ブシロードが新日本プロレスを買収し傘下に収めてから企業プロレス化したことで、それぞれの団体がこれまでの個人商店的なシステムから企業プロレス的なシステムに改められていったが、企業をバックに持つ新日本プロレスにはまだまだ及ばず、新日本の独走状態が続いてきた。
だがサイバーエージェントがDDTを買収、プロレス界に参入したことで、遂に独走と言われてきた新日本に競合団体が現れた。
昭和の時代は新日本プロレスと全日本プロレスの競争しあっていた時代だったが、それはアントニオ猪木とジャイアント馬場のスター同士の戦いでもあり、テレビ朝日vs日本テレビのテレビ局同士の戦いでもあったが、それらが切磋琢磨することでマット界が隆盛を迎えたのも事実だった。
現代は企業をバックにつくもの同士への戦いになりつつある。新日本プロレスにとってDDTは新しい団体で下としていたが、企業をバックについたことで大きく変貌を遂げようとしている。
企業プロレス同士の戦いは切磋琢磨して競争しあうのか、それとも互いに潰しあっていくのか、正直言ってどうなるかわからない、ブシロードに続いてサイバーエージェントが参入することがきっかけとなって、他の企業もプロレス事業に乗り出していくのか、両団体次第ではプロレス界のあり方が大きく変わる可能性も否定できない。企業をバックにつけた新日本とDDTがプロレス界をどう変えていくのか、じっくり見定めていきたいと思う。
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プロレス多事争論「引き抜き」アントニオ猪木による鈴川真一の引き抜き劇は驚かされたとしか言いようがなかった。現在泥仕合を展開しているIGF相手に、こういう古めかしい手段で報復に出るとは思ってもみなかったからだ、いや古めかしい手段だからこそ意外性があって効果があったからかもしれない。自分がプロレスファンを始めた昭和56年は新日本プロレスと全日本プロレスによる選手の引き抜き合戦の最中で、新日本がアブドーラ・ザ・ブッチャーを引き抜けば、全日本プロレスもタイガー・ジェット・シン、スタン・ハンセンに引き抜き返す、最初は外国人選手が標的とされたが、り、両団体の競争意識にTV局の意向も絡んでエスカレートし日本人選手にまで標的にされ、引き抜き防止協定も結ばれたことがあったが、守られることもなかった。しかし結果的に昭和56年代のプロレスブームが下火になっていった一因にもなった。またK-1やPRIDEにも同じで、エスカレートすればするほどギャラの相場が高くなっていくなど、資金面で両団体の首を自分で絞める結果となった。だが引き抜きも多団体時代となってからはプロレス団体も在り方や、契約形態も変わり、団体同士で選手の貸し借りや、契約を無事満了すれば他団体へ円満移籍、またフリーとなって様々な団体を渡り歩くという選択肢も出来たことで、プロレス界における引き抜きは死語となっていった。鈴川の引き抜き劇はマット界全体に波及するのか、エースを引き抜かれたIGFにとっては大打撃でもあるが、猪木とIGFのみの話で影響は及ぼすことはない、正直言って猪木とIGFの内輪揉めは小さな世界の一つの出来事にに過ぎなくなってしまったのだ。以前のプロレス多事争論で「猪木の周辺は現在のプロレス界とは全くの別世界で時の止まったままの空間になっている」と書いたが、今回の出来事も時の止まった空間での出来事でもある。
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プロレス多事争論「時の止まった空間」
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— 伊賀プロレス通信24時 (@igapro24) 2017年6月3日今年旗揚げ10周年を迎えたIGFの内紛劇は昔のプロレスならではの出来事で、企業プロレス化した現在ではまず起こることもなく、また懐かしくもある事件でもあった。
騒動の根本はアントニオ猪木という大スターの奪い合い、最終的には現在の側近はIGFからコーラルZが取って代わったということ、猪木は今まで新間寿氏や永島勝司氏、上井文彦氏、そして猪木事務所と側近を変え、IGFでは娘婿であるサイモン・ケリー氏を側近に据えたが、猪木の側近としてずっといた人間は誰もいなく、今回の一件でサイモン氏も例外ではなかったのだ。
猪木がIGFを見限った理由はIGFが大事にしているのは猪木ではなく、アントニオ猪木というブランドだったことに気づいたことと。IGFのブランドであるNEWが脱猪木を掲げながらも、猪木というブランドを利用し続けようとしていたことだ。だから猪木はIGFから猪木ブランドを取り上げようとしたが、IGFは元々ファンを大事にせずスポンサーを大事にしてきた団体なだけに、サイモン氏らIGFが一番怖れているのは猪木がいなくなったことでスポンサーが離れること、だから脱猪木に舵を切れず、煮え切らないどころか、署名もファンや選手と共に猪木に訴えれば、"今後とも猪木ブランドだけでもを使わせてもらえるのでは"ということを考えて敢えて楽観した態度を取っているのかもしれない。
だが自分はそう長くは続かないと見ている。猪木の姿はなく名前だけと、猪木の存在そのものでは大きな違いがある。IGFのスタッフがいくらIGFこそ猪木イズムの継承者と謳っても、猪木がIGFを認めない以上、名前だけを使っても猪木の存在そのものには絶対勝てるわけがないのだ。IGFがNEWをスタートさせたのは権利上の問題で使えないということもあったのかもしれないが、脱猪木を掲げれば新日本プロレスのようにV字回復が出来ると考えていたからではないだろうか、だが新日本プロレスがV字回復できた理由は、猪木自身が新日本を離れたことで遠慮なく脱猪木に踏み切り、ユークスやブシロードの力を借りて新日本プロレスというブランドを高めたからで、IGFの考える名前だけの脱猪木は甘いとしかいいようがない。
新日本プロレスだけでなく各団体が企業プロレス化することで時代を進めているのにもかかわらず、猪木の周辺は現在のプロレス界とは全くの別世界で時の止まったままの空間になっている。また猪木も現在の居場所は本当に自身が求めた居場所なのか、今後を見定めるしかない。
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プロレス多事争論「紙一重」
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— 伊賀プロレス通信24時 (@igapro24) 2017年5月3日5月3日新日本プロレス福岡大会でIWGPヘビー級王者のオカダ・カズチカが王座を防衛した際に「激しくなるからこそ、みんなが、全力で闘うからこそ、ケガをする人も出ます。でも! プロレスラーは超人です! どんな技を食らっても立ち上がります! 最後まで諦めないのが! プロレスラーです」と危険な技への警鐘に対してアピールした矢先の4日のDDTの大阪・豊中大会で高山善廣が仕掛けた回転エビ固めが失敗して脳天から落ち、救急搬送される事態が起き、頸髄損傷および変形性頚椎症という診断の重傷を負ったことがDDTから発表された。
高山の仕掛けた回転エビ固めも基本中の基本的な技で危険度がないものの、高山自身が普段あまり使わないことから、仕掛けた際にタイミングを誤ったのか、また高山自身も首に蓄積されたダメージもあったことから、更なるダメージを負ってしまったのかもしれない。
この事態でプロレスの技云々言われるだろうが、プロレスの技も安全というものはなく、常に危険と隣り合わせで紙一重みたいなもの、新日本福岡大会ではバットラック・ファレがショルダースルーを見せていたが、ショルダースルーも見た目は簡単そうでも、仕掛ける人間や受ける人間次第では危険な技にもなる。
プロレスの技だけでなく、自分ら日常や身の回りでも安全そうに見えても、使い方によっては危険なものになる。それを考えていると人間とは常々紙一重の中で生きているのかもしれないし、当たり前のことに気づかないのかもしれない。以前にも言ったが危険な技への警鐘を促しているが、本当の意味での安全があるのか?自分は逆に問いたいと思っている。
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プロレス多事争論「危険な技への警鐘」
こういうニュースがYhoooニュースに出ていた
(デイリースポーツより)
ブレーキを踏むときが来たのだろうか。今年に入り新日本プロレスのリング上で事故が相次いだ。3月3日には本間朋晃が中心性頸髄損傷、4月9日にはIWGPヘビー級王者オカダ・カズチカに挑戦して38分を超える激闘の末に敗れた柴田勝頼が硬膜下血腫。日本最大手団体での出来事ということもあって、業界に少なからぬ衝撃を与えている。
そして先日、昨年4月から世界最大の団体WWEで活躍している元新日本プロレスの中邑真輔からも、この事態を憂う言葉を聞いた。中邑は先日に行われた日本のメディアとの合同電話インタビューで、「最近の日本のスタイルというかトレンドというか、危険な技の応酬で、立て続けに重傷者が出てきている。各レスラーが危険な技、リスクを顧みない試合の構成についてもう一度考える時期なんじゃないかと思う」と、日本のプロレス界が危険な傾向にあると指摘し、自制の必要性を唱えたのだ。
その危険な傾向を象徴するような試合が、1月4日の新日本プロレス・東京ドーム大会で王者オカダにケニー・オメガが挑戦したIWGPヘビー級選手権試合ではないだろうか。46分を超える激闘は両者が終始エンジン全開。大技やアクロバティックな空中殺法が飛び交い、オカダがオメガを高々と放り上げてリング下の机へ落とす、目を疑うような場面もあった。死力を尽くした戦いには心を打たれたが、危険と隣り合わせのような激しい攻防の連続には恐怖すら感じた。
中邑の発言の後、新日本プロレスの永田裕志にも考えを聞いた。今年でデビュー25年を迎える大ベテランも「このところ、いい試合、壮絶な試合と言われるものが、そのような傾向になりつつある。いい例が1月4日のオカダとケニー。あの試合はすばらしいと思う。ただ、あれを目指してはダメ。あの試合は世界的にも話題になっているけど、違うととらえてほしい」と語り、中邑と同意見だった。
言うまでもなく、プロレスは5秒以内の反則が許される、極めて特異で制限の少ないスポーツだ。それ故に自由で多様な戦い方が創造され、進歩を遂げてきたが、それ故に安全対策という制限をかけにくいとも言えるだろう。残念なことにプロレス界には過去にいくつかの事故があり、安全性が議論されることもあったが、具体的な動きはほとんどない。
中邑と永田の言葉が考え方を変えるきっかけになってくれることを願う。
1・4東京ドームで行われたオカダvsケニー戦を槍玉に挙げ、危険な技を使うプロレスのあり方に警鐘を出していたが、オカダvsケニーに関しては永田の発言は、あれだけが新日本プロレスの試合ではないということを指しているに過ぎず、オカダは鈴木とも泥臭い試合をしているし、柴田とはバチバチの試合もやった、オカダvs柴田戦は四天王プロレスのスタイルと混同するファンもいたが、自分は全日本とNOAHと三沢らの試合を見ていることから断言できるが、オカダvs柴田は四天王プロレスの試合ではない。
気になるのは新日本だけが槍玉に挙げられて他団体が叩かれないのか?それだけ新日本が目立つ存在となっているが、目立つ分叩かれやすくもなってきているからでもある。新日本プロレスは将来的に株式上場を狙っているが、上場となると一般の株主達の声も聞かなければならないし、評判についても株主達は突っ込んでくると思う。新日本はそういった声に対応できるか、課題になってくると思う。中邑の発言に関してはWWEは新日本より先に上場している企業でもあるから、そういった声に反応せざる得なく、獣神サンダー・ライガーもWWEに遠征した際には普段フィニッシュにしている垂直落下式ブレーンバスターはNGとされたのか、ライガーボムをフィニッシュにしていた。また時折りハウスショーでは制約がある中で選手たちがいかに試合を組み立てていくか、NG技を設定して試合をさせることもあるという。危険な技が問われる中で選手たちがいかに試合を組み立てていくのか、これからは頭脳も試される時代になっていくのかもしれない。
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プロレス多事争論「夢と現実」
昨夜に「現役・OBレスラー200人&ファン1万人がガチで投票!プロレス総選挙」がテレビ朝日系列で放送された。
順位
1位アントニオ猪木
2位ジャイアント馬場
3位初代タイガーマスク
4位オカダ・カズチカ
5位力道山
6位棚橋弘至
7位ジャンボ鶴田
8位獣神サンダー・ライガー
9位三沢光晴
10位スタン・ハンセン
11位長州力
12位武藤敬司
13位小橋建太
14位天龍源一郎
15位ケニー・オメガ
16位橋本真也
17位蝶野正洋
18位ハルク・ホーガン
19位真壁刀義
20位アンドレ・ザ・ジャイアント昨夜は番組前で放送されたWBCが試合時間が4時間46分にわたっておくなわれたことで、放送開始は3時間遅れで0時13分からスタートとなった。
順位は新日本や全日本関連が主になったが1~6位に関しては妥当といったところ、特に誰をきっかけにプロレスファン、またレスラーになったかを考えると猪木、馬場、初代タイガー、力道山の名前が挙げられて当然、その中にオカダや棚橋の名前が入ったのはレスラーだけでなくプロレス女子層を考えると、世代というものを考えさせられてしまう。
90年代のレスラーのトップになったのは三沢を抑えてライガーとなったが、ライガーも知名度の高さを考えると納得でもある(武藤本人は不満だった)
残念だったのは外国人選手も対象にあったためか藤波辰爾、前田日明、高田延彦、大仁田厚などが圏外になったこと、藤波と前田に関しては現在のレスラー達とは共演NGではないはずだが、高田は本人が共演にNGを出したのか、大仁田は出演していたレスラーだけでなく猪木からもNGが出されたのかもしれない。最後に1位である猪木が登場したが、収録が5時間に渡った影響か他のレスラー達との共演はなかった。共演NGなのかというと最近の猪木は武藤や小橋などと写真に納まり、棚橋とも対談するなど歩み寄りを見せ、またIGFから独立したのもあって決して共演NGではないはずだが、これは双方の都合が合わなかったとしか思うしかない。
自分的には猪木が新日本プロレスから飛び出して10年・・・もうそろそろ和解してもいいのではと思っていたし期待していた。だが「プロレス総選挙」がその場ではなかったのが残念である。
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プロレス多事争論「日本と世界との距離」
WWE世界戦略1。WWEが200億円程度調達するらしい(方法としては転換社債のようにとれる?)使い道はプロレスの枠内ではWWEネットワークのテコ入れ、世界中にWWE紐付きのローカルテリトリーの構築だろう。英国王座誕生はその一環。日本の団体も買収対象になる可能性がある。(続く)
— 木谷高明 (@kidanit) 2016年12月16日WWE世界戦略2。何故WWEネットワークのテコ入れと世界規模のローカルテリトリーの構築なのかの説明をする。まず近年のWWEの収益構造でTV放映権料が突出して大きくなっている。これは米国のネット配信とケーブルTV局の綱引きによりスポーツコンテンツバブルが起こった恩恵による(続く)
— 木谷高明 (@kidanit) 2016年12月16日WWE世界戦略3。この綱引きの構図がケーブルTV局側の疲弊により3年から5年で大きく崩れ、今までのように米国内の高額の放映権料得つつ世界中のTV局へも番組販売するという高収益体制を維持出来なくなる。この分はWWEネットワークで補うしかなく、ネットワークのテコ入れは急務です(続く)
— 木谷高明 (@kidanit) 2016年12月16日WWE世界戦略4。世界規模のローカルテリトリーの構築に複数の理由。その1コスト削減 世界規模で団体ごと移動するのは大変なコストがかかります。また各地のWWEの現地法人も年に一回二回しか興行がないのなら不要。現地に系列団体を作り選手を送り込むだけならコストは格安で済みます(続く)
— 木谷高明 (@kidanit) 2016年12月16日WWE世界戦略5。実際WWEが黒字を出している国は米国、カナダ、英国の3カ国しか無いと思う。ただ世界中のTV局に番組販売しているためある程度は世界ツアーをやる必要がありネットワークのプロモーションの意味合いも。地域の特色により現地法人、系列団体、提携団体を構築するだろう(続く)
— 木谷高明 (@kidanit) 2016年12月16日WWE世界戦略6。その2 選手の発掘、育成。WWEの次世代スター不足は深刻。その3 ローカルテリトリーでのコンテンツ作り、ローカル化と言う名のグローバル化、現地のレスラーが多数出場する興行をWWEネットワークで配信すれば、その国の人達がネットワークに加入する可能性が増える(続く)
— 木谷高明 (@kidanit) 2016年12月16日WWE世界戦略7。WWEは大きな賭けに出たと思う。ただこの賭けはかなりの危険性も伴う。それは巨大IT企業を相手にしてしまった事。まだまだ書き足りないが新日本プロレスの戦略も含めて、後日発表したい。プロレス界はグローバル規模のWWE連合vsアンチWWE同盟の時代になると思います。
— 木谷高明 (@kidanit) 2016年12月16日先日新日本プロレスの木谷高明オーナーがたWWEの戦略は公表資料及び決算資料等を読んだ感想をTwitterにて公開した。
WWEが狙うのは本当の意味でのネットの力を使っての世界侵攻、WWEが現在のビンス・マクマホン体制となってからはケーブルTVの力を駆使して、NWA系の体力のなくなっていったテリトリーを次々と飲み込んでいき、あわよくば日本をも飲み込もうとしていた、このときはまだジャイアント馬場さんとアントニオ猪木が力を持っていた時代で飲み込まれることはなかったが、馬場さんが亡くなり、猪木もかつてほどの力がなくなったことで企業プロレスへの時代となり、WWEもケーブルテレビからネットへの転換していった。自分は木谷オーナーの見解を読み、その感想を述べるに過ぎないが、WWEがやろうとしていることは金銭面を含めてリスクを伴うもの、ハイリスクハイリターン的なものだと思う。木谷オーナーは「プロレス界はグローバル規模のWWE連合vsアンチWWE同盟の時代になる」としているが、肝心の日本はそういう視点でプロレスを見ようとせず、中には新日本を足を引っ張ろうとするマスコミもあり、また体力のなく時代に乗り遅れている団体もグローバルな視点で見る余裕のなく、WWEから紐付きにならないかと持ちかけられたとしても、ハイなりますと簡単に飲んでしまうのが現状だと思う。
WWEのネットを使った世界侵攻は日本にどう影響を及ぼすのか?また来年はいよいよDDTもネット配信に進出するだけに、世界中のプロレスファンに日本のプロレスを知られることが多くなる、これからのプロレスは次第にTVからネットへと時代は変わることから2017年度のマット界はまたどう変化していくのか…?
さて今年の伊賀プロレス通信「日常茶飯事」の更新もこれで終了、私事になるが11月から転職、仕事も昼間になりTVやネットでもプロレスをライブで見る機会が増えました、来年は現場に出る機会も少し増やしたいと思います。といってもこのブログの更新はこれまで通りでやめへんで〜(by月亭方正)
来年最初のブログ更新は元旦からです、良いお年を…
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プロレス多事争論「猪木の居場所」
今年はアントニオ猪木vsモハメド・アリ戦が実現してから40年ということで"世界格闘の日"が制定された、試合後に世起の凡戦と評された猪木vsアリ戦が後年評価された証でもあったが、その一方で2016年のIGFは"混迷”の1年だった。
"混迷”の理由は今年に入ってからIGFは経費削減による減量経営を強いられたからだった、総帥だったアントニオ猪木がIGFの経営から撤退し、猪木のスポンサーだった湯川剛氏が新オーナーとなった、湯川氏はおそらくだがIGFの経営体質にメスを入れ、日本のIGF道場の閉鎖や選手契約の見直しをすることによって無駄なものを切り捨てていった、だが興行回数は減り、猪木vsアリ40周年と銘打たれた興行は9月にTDCホールで開催されたのみで、6月や12月に開催される予定だったマカオ大会が中止にとなり、来年10周年を迎えるIGFは来年4月旗揚げされる新ブランド「NEW」が開催されるまで開店休業状態となった。IGFとは何だったのか?猪木の威厳を示すために設立され、IGFを支持しまた集まってきた人間たちは”まだ猪木がプロレス・格闘技の中心”という時代錯誤に囚われた人たちが中心となって猪木を突き動かしていたと思う。だが結果的には猪木の威厳を示せば示すほど、猪木は現在のプロレス界から敬遠されてしまい、現在のマット界から真逆の方向を取らざる得なかったことで、IGFは猪木のプロレス・格闘技での唯一の居場所となった。
その猪木もプロレスから政治へと居場所を求めたが、IGFですら猪木の居場所ではなくなってしまったことが本当の理由なのではないだろうか?
周囲は猪木にプロレス・格闘技で威厳を示し、まだまだマット界の中心的存在になって欲しいという期待をかけている人間はまだいると思う。だが猪木も来年で74歳、その猪木ですら齢や時の流れに逆らえなくなってきている…
年末恒例アンケート
アントニオ猪木はまだプロレス界の主役と思いますか?
— 伊賀プロレス通信24時 (@igapro24) 2016年12月25日 -
プロレス多事争論「巻き返しと強気、攻め」
今年の全日本プロレスは「巻き返し」の1年だった。
2014年に白石伸生オーナーから独立した秋山全日本だったが、観客動員も頭打ちで経営も苦しくなり、昨年は曙だけでなく潮﨑豪、金丸義信、鈴木鼓太郎らが全日本を去るだけでなく、馬場元子さんは曙に「王道」の錦の御旗を手渡してしまった。
2016年になるも負の連鎖が続き、エースである諏訪魔がアキレス腱断裂で長期欠場を余儀なくされたが、秋山は強気の姿勢を崩さなかった。
秋山はジャイアント馬場さんからの王道を受け継ぎつつも「強気、攻め」の姿勢を見せてきた、NOAHでも守りに入らず、攻めの姿勢を見せたことでNOAHを活性化させ新日本プロレスとの扉を開けてきたことで交流がスタートした。
11月27日に全日本が両国大会を開催すると発表したときは、全日本の現状で大丈夫なのかという不安もあったが、それと同時に秋山の「弱気は禁物」と強気の姿勢を感じさせ、全日本のリングも秋山の強気の姿勢が現れ始めたのか、負の連鎖というものを感じさせなくなっていた。
秋山の攻めの姿勢は“外交”にも現れていた、大日本プロレスと積極的に交流するだけでなく、分裂から関係が途絶えていたWRESTE-1との交流がスタートしたことで、全日本も話題性が増し活性化してきた、リング内でも諏訪魔不在の中で宮原健斗が台頭、三冠王者として長期政権を築いたことで全日本のトップレスラーへと成長した。
秋山体制スタート時は“馬場さんの王道”に囚われすぎて守りに入りすぎていたのかもしれない、しかし王道の錦の御旗がなくなったことで、全日本は秋山カラーを前面に押し出した団体へと生まれ変わった。
秋山全日本の課題は外交面は充実しているものの、内部は人材の面で課題が多い、野村直矢や青柳優馬、ジェイク・リーなどは成長はしているものの、まだまだと思わせる部分がある。
秋山全日本の課題は外交である攻めと内部の充実という受けのバランス、それが最大の課題なのかもしれない。
年末恒例アンケート
全日本プロレスは去年より巻き返しが出来たと思いますか?
— 伊賀プロレス通信24時 (@igapro24) 2016年12月18日 -
プロレス多事争論「組織力」
2016年の新日本プロレスは「組織力」が試された1年だった。
ユークス体制から新日本プロレスを支えてきた中邑真輔、そしてトップ外国人選手だったAJスタイルズやカール・アンダーソンがWWEに引き抜かれたことで、世界へ向けて発信していた新日本にしてみればWWEという巨大な力の前に出る杭が打たれた瞬間でもあった。
中邑やAJが去ったことは新日本プロレスにとっても大ダメージでもあったが、それと同時に中邑やAJの抜けた穴をどう埋めるか、新日本プロレスにとっても組織力が試された。
そしてこれまで燻っていた内藤哲也が満を持してブレイクし新日本のトップへ、ケニー・オメガもAJにも果たせなかったG1 CLIMAXを制したことでトップ外国人選手へと昇り詰め、中邑やAJの穴を埋めきる以上の活躍を見せた。
ただ外交面に関しては飯伏幸太の退団を契機にDDTと、また新体制を発足させたNOAHとの関係も切れ、国内の団体から孤立化しつつあるが、これからはROH、CMLLと国外の団体との関係を重視していくのか、また先のブログで更新したとおり選手が飽和状態になったことから、今後の去就も取り沙汰されていく選手も出てくるだろう。それと同時に新日本は棚橋弘至と中邑の時代は終わり、新しい時代を迎えた。自分はこれからはオカダや内藤の中心の時代になるかと思いきや、ケニーが割って入るなどどういう時代になっていくのか、また来年の新日本プロレスはどういう年を迎えるのか…わかるのは組織力が強いうちはまだまだ新日本の独走が続くということだ。
年末恒例アンケート
今年の新日本プロレスは中邑真輔、AJスタイルズ、カール・アンダーソン、ドグ・ギャローズの抜けた穴を埋めたと思いますか?
— 伊賀プロレス通信24時 (@igapro24) 2016年12月11日 -
プロレス多事争論「破産寸前から再生へ」
11月1日 NOAHは株式会社エストピーに事業譲渡され、社名もプロレスリングNOAHから「ノア・グローバルエンタテインメント株式会社」に変わった。
新会長に就任した内田雅之氏は週刊プロレスのインタビューに答え、NOAHは債務超過に(債務者の負債の総額が資産の総額を超える状態。 つまり、資産をすべて売却しても、負債を返済しきれない状態)に陥っており破産寸前でグローバルリーグ戦開催も危うい状態だった。そこで新たなるスポンサー探しに奔走していた丸藤正道にエストピーがホワイトナイトとなり、NOAHは急ごしらえながらも新体制が発足、グローバルリーグ戦は無事開催された。
なぜNOAHは破産寸前にまで追いやられたのか、NOAHは旗揚げから選手主導で運営してきた団体、三沢光晴が亡くなってもその体質は変わらなかった。
昨年から鈴木軍が参戦したことで新日本との係わりが活発化しテコ入れがされたとされたが、NOAHは新日本によってこれまでの体質が改めてくれるのではということを期待していた部分もあった。しかし新日本とNOAHの関係は単なる業務提携に過ぎず、新日本もNOAHの内部にまでは深くタッチしなかった。
三沢が亡くなっても仲田龍が亡くなってもNOAHの選手主導の体質は改められないまま、これが団体が低迷し破産寸前にまで追いやられた原因なのではと思う。
NOAHは事業譲渡され新体制となり、三沢光晴の個人商店的団体から、団体のブランド力を高める企業プロレスへの方針転換を余儀なくされた、いやNOAHもやっと『時代』を受け入れざる得なかった。これまでのNOAHは選手主導で運営されていたが、これからはフロント主導に変わる。果たしてNOAHどう再生されていくのだろうか?
リング内の戦いを振り返ると、今年は昨年度の戦いの主役だった丸藤正道と鈴木みのるが一歩引き、NOAHに復帰した潮﨑豪とNOAHに留まった杉浦貴の戦いをプロデュースする側に回ったが、杉浦の意識を変えることは成功したものの、潮﨑は優等生すぎる発言や行動などで意識を変えることが出来ず、二人の戦いは僅か半年で終了するという結果になり、また昨年全日本時代での輝きを取り戻していた鈴木だったが、今年は一歩引いたことでまた以前の輝きを失っていてしまっていた。
今年一歩引いたことは鈴木自身の本意だったのか、ただ杉浦vs潮﨑の失敗を見て、自身が一歩引いてしまったことを誤算だったことだけでなく、また鈴木自身にも大きなマイナスになったことを感じていたのかもしれない。
そして新体制に移行したのを契機にこれまで業務提携関係だった新日本プロレスとの関係は見直され、鈴木軍やレンタルで参戦していた矢野通も撤退することになった、このブログが更新する現時点では鈴木がNOAHから全面的引いて、NOAH本隊vs杉浦を軸とする戦いへとシフトしつつある。杉浦の側にどんな選手が集まってくるかわからないが、鈴木みのるによってプロレスに対する意識を学んだ杉浦がNOAHをどう変えていくのか?フロント主導となった新体制、そして杉浦貴という存在、これが来年のNOAHを変え、また再生していくキーパーソンになるのか?恒例年末アンケート
NOAHは内田新体制の下で再生出来ますか?
— 伊賀プロレス通信24時 (@igapro24) 2016年12月5日「面白かった」のか?「面白くなかった」のか?評価は他人が付けたものだけが金になる。趣味ならそれもかまわない。遊びなら仕方ない。プロだと名乗るなら自己評価なんて1円の価値もないことを知った方がイイ。これが金を稼ぐということ。
— 鈴木みのる (@suzuki_D_minoru) 2016年12月5日 -
プロレス多事争論「ストロングスタイルへの追求」
(東京スポーツより)
新日本プロレス19日の大阪城ホール大会を観戦した木谷高明オーナー(56)が、団体の現状に危機感を抱き緊急警鐘を鳴らした。この日の観衆は9925人と、昨年大会の1万1400人を下回った。木谷オーナーは昨年が21年ぶりの再進出という話題性もあったことを考慮し「そこから1割減であれば100点満点。もちろん来年は昨年以上を目指します」と総括した。
一方でこの日は隣席に総合格闘家の青木真也(33)が座り、会場をどよめかせた。木谷氏は本紙の取材に「あくまで最終判断は現場に任せます。『やらない』となればそのレベルの話」とした上で、かねて高評価を与えている青木の新日プロ参戦を進言する意向を明かした。
その裏には木谷氏が抱く危機感がある。「個人的にはアメリカンプロレスに寄りすぎかなと思っている。僕はアメリカンプロレス『も』好きなんです。完全にそっちに重なってしまうと、WWEの二軍にしかならない」と団体の現状に警鐘を鳴らした。
新日プロには創設者で現IGF総帥のアントニオ猪木氏(73)が故モハメド・アリ氏と繰り広げた異種格闘技戦などの歴史から、ストロングスタイルを標ぼうする伝統がある。「今までは(MMA参戦歴がある)中邑選手がそれを担保してきた部分がある。それがなくなってしまった」と分析する木谷氏は「(今の主流とMMA路線が)混ざり合えと言っているわけではない。オカダ選手たちは今のスタイルを磨いていってほしい。ただいろいろなものがあって、お客さんに見せていっていい。バランスが大事」と、現状の人気に満足することなく、変革の必要性を説いた。
その起爆剤としてまずは青木に白羽の矢を立てた格好だが…。年明けから主力選手の移籍が相次ぎ、激動が続いた今年の新日プロだが、下半期のリングも風雲急を告げてきそうな気配だ。
新日本プロレス大阪城ホール大会を観戦した木谷高明オーナーが現在の新日本プロレスを「アメリカンプロレスにより過ぎている」「WWEの二軍にしかならない」と警鐘を促した。
実は創始者であるアントニオ猪木もnWoブームの最中に「武藤や蝶野とかがnWoとかやっているが、『いいじゃないか、好きなことをやれよ』という考えですよ、プロとして面白ければはみだせばいいんですよ」としつつも「アメリカのプロレスをマネはいい部分はあるが、日本のプロレスとして、新日本は独自の色を持たなければいけないということです」と木谷オーナーと同じような警鐘を促していたが、新日本はWWEと違って独自のカラーを打ち出さなければいけないという意味では猪木と木谷オーナーの感性は似ている部分があるのかもしれない、猪木の場合は起爆剤を暴走王(小川直也)に求め、橋本真也が受けて立ってきたが、これが新日本内部の派閥闘争へとつながってしまい、新日本はユークスに売却され、猪木が新日本を離れてIGFを旗揚げするきっかけとなった。木谷オーナーは大阪城に来場した青木に起爆剤の役目として求めたいようだが、青木の場合は桜庭和志やグレイシー(ダニエル、ホーレス)と違って問題児として扱いづらさもある、また青木を受け止める相手がいるのかどうか、桜庭やグレイシーの場合は中邑真輔という受けて立つ相手がいたが、青木は誰が受けて立つのか・・・
新日本はプロレス、IGFは格闘という部分をアピールしているが、これは両方が合わさったものがストロングスタイルであり、新日本の独自スタイルなのではと思う、現在の新日本が独自のスタイルを作り上げるのかどうか、企業プロレス化も大事なのかもしれないが、現在の新日本独自のストロングスタイルへの追求も新日本にとっての課題なのかもしれない。
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プロレス多事争論「オカダ・カズチカと内藤哲也の時代」
2016年の新日本の最大のテーマはオカダが新しい時代を築けるか?、そして中邑の抜けた穴を誰が埋めるかだったが、内藤哲也がオカダ・カズチカを破りIWGPヘビー級王座を奪取したことで、棚橋弘至と中邑真輔の時代からオカダと内藤の時代がやっと到来した言っても過言ではない。
オカダが初めてIWGPヘビー級王座を奪取した2012年、3月の新日本プロレスの旗揚げ記念日でオカダと内藤によるIWGPヘビー級選手権が後楽園ホールで実現したが、旗揚げ記念日にこれまで新日本プロレスを牽引してきた棚橋と中邑を押さえてオカダと内藤によるメインでの選手権は新日本の未来を感じさせた。
しかし二人も未来を掴むまで容易ではなかった、オカダも内藤も棚橋や中邑に勝ってきたが、時代を動かすまでには至らず、新日本の主役を奪うことはできなかった。
特に内藤は棚橋、中邑という存在だけでなく後輩のオカダに抜かれるというジレンマを常に抱えていた、2016年の新日本は中邑、飯伏幸太、AJスタイルズらの退団というピンチからスタートしたが、内藤はピンチをチャンスに変えて一気に弾けた。
そういった意味では内藤は真壁刀義と似ているような感じもする、真壁もヒールをやりながらも前座また中堅に置かれていたが、ユークス体制移行期に選手らが去ったことで、一気に弾けてトップへとのし上がった、真壁も大器晩成型だが、そういった意味では内藤も同じ大器晩成型だったのかもしれない。
2016年の新日本はピンチから始まったが、ピンチは新しい時代の幕開けにつながり、新日本はオカダと内藤時代の幕開けへとつなげた。この二人が新日本プロレスをどういう色に染め上げようとするのか・・・
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プロレス多事争論 2015年のラストメッセージ「脱呪縛」
2015年のプロレス界は「脱呪縛」の1年だったと思う。
今年も新日本プロレスが独走の1年だったが、DDTや大日本プロレスも躍進し大日本に至っては両国国技館でビッグマッチを開催した。これらの団体が躍進した最もの理由は『B・Iの呪縛』を受けない団体だということ、つまりジャイアント馬場さんとアントニオ猪木の影響を受けない団体が躍進したということだ。
新日本プロレスは企業プロレス化することで脱・猪木を図って成功し、DDTや大日本などはB・Iの影響を受けない新しいスタイルを確立することでファンの支持を得た。これらの団体が躍進したということは、もはや馬場・猪木の時代が終わってしまったことを意味しているのかもしれない。
その反面馬場さんや猪木の影響下を受けた全日本とIGFは低調に終わったのも、いくら脱馬場を図っても拭いきれない馬場さんの影響、IGFも73歳を迎える猪木に頼らざる得ない現状が続く、B・Iの呪縛に囚われた二つの団体が時代に取り残されていくような感じがしてならない。
NOAHも新日本のテコ入れを受けて脱・三沢光晴や小橋建太カラーを脱却を図り、WRESTLE-1も武藤全日本時代を一旦リセットすることで新しいスタイルを模索し始めた、呪縛にとらわれず常に新しい考えを取り入れる団体がこれからのプロレス界を引っ張っていくのかもしれない。
今年の伊賀プロレス通信の更新も一旦終了というか、2016年最初の更新は明後日の元旦になり休めた気になりません(笑)、今年は病気で倒れて入院したりで自分自身の健康を考えさせられた年でした、みなさんも健康には気をつけて良いお年を・・・もはやB・I(馬場、猪木)の時代は終わったと思うか?
— 伊賀プロレス通信24時 (@igapro24) 2015, 12月 29 -
プロレス多事争論「立場逆転」
KAMINOGE vol.48より
榊原『いろんなところのトップ選手がトーナメントに出てきて欲しいと思ってます。そこにIGF代表選手がいてもいいし、新日本プロレスからも出て欲しいですよ。プロレス界のトップ、棚橋くんとか出ないかな?』椎名『棚橋ですか!(笑)』
榊原『100年にひとりの逸材なんでしょ?大晦日にフジテレビで出たあと、1月4日にテレビ朝日に出たら、新日本だってもっと盛り上がるんじゃない。出て欲しいなあ、棚橋vs把瑠都とか。』
RIZINの榊原信行代表が『KAMINOGE』 新日本プロレスの棚橋弘至に参戦を呼びかけたが、ゴング誌でも棚橋だけでなく中邑真輔やオカダ・カズチカにも参戦を呼びかけている。
自分の見解からいうとRIZINに棚橋や中邑、オカダなどが出る必要があるのかと思う。
なぜ榊原氏がこういった発言になったのかというと、高山善廣がゴングで「プロレス界でのステータスを高めるために地上波で放送されているPRIDEを利用させてもらった」と語っていたとおりに、榊原氏がRIZINの組織としてのステータスを高めるために人気が戻った新日本を利用しようと考えたのか?PRIDE全盛時代は新日本プロレスがPRIDEやK-1を利用していたが、それを考えると榊原氏は大風呂敷を広げているが、実際は新日本と格闘技の立場は逆転してしまっているということだ。
榊原氏はプロレス、格闘技全体のステータスを高めるためと謳っているが、こういったものは必ず割りを喰うところが出てくる、特にPRIDE全盛期はプロレスが割りを喰わされ、特に割りを喰わされた新日本プロレスは大ダメージを負った、それが新日本プロレスのためでありプロレス界また格闘技などマット界全体のステータスが上がるものであれば、新日本プロレスは協力している、しかしRIZINだけがステータスが高めるのであれば新日本だけでなく協力はする団体も厳しいぐらい少ないと思う。
RIZINのカードが発表されているが格闘技ファン向けのカードは発表されてはいても、メインのエメリヤーエンコ・ヒョードルや目玉である把瑠都のカードが未だに発表されておらず、一般受けするにはインパクトが薄い。
RIZINの出方を見るとPRIDEほどではなくまだ“そこまで”の団体といった印象を受けたが、フジテレビを始めとする周囲が期待をかけているため、ハードルを高めてしまっている、そして榊原氏も期待というノルマに追われているといった感じに見える。
RIZINが視聴率的にどこまで稼げるかわからない、ただフジテレビのノルマがどこまで設定しているのか次第では、榊原氏も谷川貞治氏の二の舞になる可能性も否定できない。
プロレスラー招聘に関してはRIZINを利用してステータスを高めたいという者だけ参戦すればいい、ただ現在のRIZINは利用する価値はあるかどうか・・・ -
プロレス多事争論「G1 CLIMAX」
ファンの皆様へ
今年の『バディファイト presents G1CLIMAX25』へのご来場、ご視聴、誠にありがとうございました。
今回の『G1 CLIMAX』は「極みの夏。」をキャッチフレーズに28日間に渡り、全国各地で19大会を開催、述べ7万人以上という過去最大級の動員人数を記録し、『G1 CLIMAX』25周年という節目を無事に終了することができました。
これもひとえに、応援して頂きましたファンの皆様のお蔭です。一方で、ファンの皆様からは、長期間に渡る日程と試合数、また連日の移動などによる、選手のコンディションへのご心配も頂いておりました。
今後の『G1 CLIMAX』シリーズにつきましては、選手コンディションに過度の負担の生じない日程、開催地の見直しを図り、開催する所存です。
これからも、新日本プロレスリングはファンの皆様に楽しんで頂けますよう、選手、社員一同が一丸となって、大会やイベントに取り組んで参ります。
今後とも、よろしくお願い申し上げます。新日本プロレスリング株式会社
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新日本プロレスが「G1 CLIMAX25」を終えて御礼を公式HPで更新、次回「G1」では選手らの負担をかけない日程など見直すことを約束した。
G1に関しては全選手が完走したものの負傷者が続出、中邑真輔も一旦欠場してすぐシリーズに復帰、最終戦には無事これ名馬なりを地でいったオカダ・カズチカも右肘を負傷するなど、今年のG1も過酷さが増していた。
自分が昨年のG1は過酷なマラソンと評していたのは、全選手の混戦でウィンウィンではなく、リーグ戦が進むたびに脱落者が続出して最終的に一人に絞られていったこと、しかし今年のG1は負傷者の続出で違った意味で過酷となっていった。
そこで思い出すのは全日本プロレスの「チャンピオン・カーニバル」、四天王(三沢光晴、川田利明、田上明、小橋建太)プロレス時代のチャンカンはG1同様総当りリーグ戦方式を取っていたが、G1と違うところは1リーグ方式だったこともあり過酷さも倍増、三沢も1995年と1998年に優勝したが1995年には川田のジャンピングハイキックを顔面に浴びた際に目を、1998年にはシリーズ中に膝を骨折するなど負傷を抱えながら優勝を果たし、1997年には三沢、川田、小橋が同点となり巴戦で優勝が三沢vs小橋、川田vs小橋、川田vs三沢の順で試合が行われて最終的に川田が優勝したが、「ここまでしないと客は満足しないのか」と限界点まで達し、また当時の全日本は年俸制ではなく1試合いくらのギャラシステムで、巴戦だったのにも関わらず1試合扱いと扱われギャラも上がらないこともあって、次第にこういった不満が社長であるジャイアント馬場さんへと向けられていったが、年俸制になると馬場さんの個人商店だった全日本の経営が立ち行かなくなるため改善されることはなく、またチャンピオンカーニバルのシステムも馬場さんの存命中は見直されることはなかった。
現在のプロレスは1990年代のUWFの影響もあって常に完全決着が求められ、両者リングアウトなど“逃げ”は許されず、それが今でも続いている。今年のG1はリングアウト勝ちはあったが、ほとんどが完全決着、昭和時代の逃げが許されない分過酷さというものも増してきているのが現状なのではと思う。
来年のG1はどう改善されていくのかわからない、自分も含めたファンもあれこれ言ったとしても決めるのはあくまで団体側である、後は団体側が選手らにどうフォローしていくのかが、ジャイアント馬場さんの全日本は個人商店だったことで選手をフォロー仕切れなかったが、企業プロレスを目指す新日本は選手らをどうフォローしていくのか・・・ -
プロレス多事争論「ルールよりもプロレスとは何かを考えて欲しい」
<プロレス格闘技DXより>
2・22後楽園大会の試合中、安川惡斗に重傷を負わせた世IV虎が25日、都内・スターダム道場で会見し、「このたびはケガをさせてしまった安川惡斗選手、選手の皆さん、プロレス界の皆さん、本当に申し訳ありませんでした」と謝罪。会見にはロッシー小川代表、風香GM、高橋奈苗、当日、安川のセコンドについていた木村響子も同席し、小川代表が世IV虎にワールド・オブ・スターダム王座の剥奪、無期限出場停止の処分を課すと発表した。また、都内病院で入院中の安川の診断結果が「網膜震とう症」で、失明の恐れがないことも報告された。
【会見における小川代表、世IV虎のコメント】
▼小川代表「2月22日、後楽園ホール大会でプロレスの範疇を逸脱した試合が発生し、安川惡斗選手が重傷を負いました。安川選手、ご家族の皆さん、ファンのみなさん、プロレスに携わる関係者の皆さんにご迷惑とご心配をおかけしましたことを深くお詫びします。申し訳ありませんでした(出席者全員で頭を下げる)。これも管理体制が行き届かなかったことと反省しております。今後、話し合いを重ね、再発のないように務めてまいります。安川惡斗選手は頬骨と鼻骨を骨折しております。左眼窩底も骨折しております。本日検査をしまして、網膜震とう症という診断が出ました。これは幸いなことに、現状において網膜はく離ではありません。そして処分を発表させていただきます。世IV虎選手にはワールド・オブ・スターダム王座剥奪、無期限の出場停止となります。試合自体はTKO勝ちではなく、ノーコンテストといたします。そしてここにいます私を始め、風香GM、高橋奈苗に関しては給料の30パーセント減給を3ヶ月課したいと思います。大変ご迷惑をおかけしました」
▼世IV虎「このたびはケガをさせてしまった安川惡斗選手、選手の皆さん、プロレス界の皆さん、本当に申し訳ありませんでした(と頭を下げる)」
▼風香GM「2月22日に起きた、行き過ぎた顔面攻撃により安川惡斗選手に重傷を負わせたこと、多くの混乱を起こしたことを深くお詫びします。申し訳ありませんでした。当日、リングで起こったことに関しては世IV虎に全て非がありますが、そこに至るまで二人の関係に気づいていながら修復へと導けなかったこと、心のケアをやりきれなかったこと、また、プロ意識の教育不足、アンバランスなマッチメーク…実力差がありすぎるタイトルマッチを認めてしまい、このような結果になってしまったのは世IV虎以上の選手、スタッフ全ての責任だと思っています。この事態を受け2月23日、緊急会議を行い、今後の話し合いを行いました。改善点としまして、ルールの厳罰化。拳の顔面への攻撃、顔面パンチは禁止致します。今後は一度でもあると反則負け、その場でストップとさせていただきます。そしてリングドクターを本部席に置くこと、もう一つ、内々の話になりますが、このような人間関係のひずみを大きくする前に、改善、解決していくため、宝城カイリ選手を選手会長に置き、定期的に選手会を開き、意見交換していくこと。以上のことを決定しました。今回起こったことを重く受け止め、安川惡斗選手の一日も早い回復を待ち、全ての批判を真摯に受け止め、これからもスターダム選手、スタッフ一同、前を向いていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。このたびは申し訳ありませんでした」
▼高橋「選手の一番上として、選手代表として常日頃から選手と一番近くにいます。守らなければいけない立場でありながら、選手の教育が至らないせいで今回のことが起きてしまったと深く反省しております。プロレスは皆様に夢を与えるものでなければいけないと思います。また選手自身が夢を持てるリングを示してあげられなかったことを重く受け止めています。今後のスターダムのプロレスで全てを拭うことはできないと思いますが、少しずつでも努力して、心を乱してしまったお客さん、一生懸命頑張っているプロレス界の方々、そういう方々に対して、頑張ることによって、前に進むことによってお詫びしたいと思います。このたびは申し訳ありませんでした」▼木村「スターダムにフリーとしてここ何年も参戦している中で、団体の姿勢であったり、ロッシー小川代表の暴走であったりに疑問を感じることがありました。私はそれに気づいていながら改善に至るまで行動を起こせなかったし、実際に何も変えることができなかったというのが、こういう未来ある二人の人生を大きく変えてしまうようなことにつながってしまったと思います。プロレスラーは命というか人生を試合にかけてて、本当に今回のことでなくても何かのアクシデントで誰かの人生が大きく変わってしまうことがあって、それと逆に自分はプロレスと出会ったことで、凄くプロレスに救われてきたので、今回、惡斗が大怪我をして、世IV虎がこういうことになってしまったんですけど、今まで自分のキャリアの中で先輩たちにずっと試合の中で教えてきてもらったプロ意識を自分たちの世代が下に全然伝えていられないなという後悔が物凄くあります。なので、これからは試合でも、試合以外でも自分が先輩たちに教えてもらったプロ意識一つ一つ、全部のことを伝えていきたいと思います」
▼風香GM「世IV虎が対話をできる状態ではないので、それ以外の者が答えさせて頂きますので、何か質問がありましたらお願いします」
――今回起こってしまった原因というのは?
▼風香GM「原因は最終的に二人にしかわからないことで、スタートは小さいことだったと思うんですけど、それが1年半、2年とかけてここまで修復のできないものとなってしまい…。ただ惡斗は私に対しても当日、病院に付き添った時にでさえ、世IV虎の悪口も全く言わず、今も病院で『世IV虎さんも悪かったけど、私も悪かったから、世IV虎さんが悪かったと仕向けないでほしい』と言ってるぐらいです。本当に二人にしかわからないことがあって、一つの大きな喧嘩があってとかではないはずだと思います」
▼木村「フリーとして、外側からみた意見の一つとして考えてもらえればと思うんですけど、二人の関係がどうであったという前に、二人にプロ意識の教育ができていなかったのが原因の一つだと思っています」
▼小川代表「最初、パンチの応酬みたいになったんですけど、途中でプロレスとして成立しようという意気込みはあったんですけど、それがその通りにならなかったのが現実ですね。ああいう大怪我をしたのは非があることですので、後悔してもアレなんですけど、何らかの形で試合を成立しようとしてたのは事実です」
――世IV虎選手にプロレス観の変化は?
▼風香GM「今はこういう状態で具体的な話し合いを取れていなくて、ただ惡斗、ご両親に対して申し訳なかったという気持ちを繰り返していますけど…」
▼小川代表「補足しますと、昨日、世IV虎選手と一緒に惡斗選手の入院している病院にお見舞いに行って、二人は握手をしながらお互いの非を認めたというところがあります。こういうことが起きてからでは遅いんですけど、試合で起きたことをお互いかち合ったというか、そういう場面がありました。そこで世IV虎は惡斗に謝罪をしました」
【会見後の小川代表】
――安川選手の現状は?
▼小川代表「鼻は1ヵ月固定しないといけないということで、目は腫れがひどくふさがっている状態です。本人はケガの具合、置かれてる状況とかよくわかっています」
――失明の恐れは?
▼小川代表「それはないです。あとは腫れが引くかですね。今日、惡斗のお母さんから」電話をもらって、今日検査したと聞きました」
――現在は入院していると?
▼小川代表「今、入院してます。月曜日の深夜に入院しました」
――今回のような試合は予測できなかった?
▼小川代表「仲がいい悪いは誰でもあると思いますし、プロレスラーのプライドもある。試合を見てるとプロレスの試合をしようというのはみえたんですけど、どこかで意地があって体が動かなかったのかなと。世IV虎がタックルにいった場面がありましたけど、(感情的になると)通常ああいう場面はないですからね。殴り合って終わると思いますから」」
――世IV虎がプロレスを辞める可能性は?
▼小川代表「会社としては冷却期間を置いて、心の静養もしないといけないと思います。想像以上の反響になってますし」
――どんな反響が?
▼小川代表「今、無言電話とか深夜にまで至ってますね。そういうのに耐えていかないと。脅しの電話とかもあります」
――世IV虎は故意だった?
▼小川代表「故意はないですよ。プロレスラーですから。いきすぎたことは確か。その状況が判断できなかった。試合で興奮してるし、そこがプロレスラーとして未熟だったのかなと」
――世IV虎の今後については?
▼小川代表「惡斗が元気な姿をみせないと、世IV虎はプロレスやる辞めるの次元じゃないですね。今は起こったことも含め、今後のことを考える時間でしょうね」
――教育係は?
▼小川代表「高橋、風香がやってますけど、自分も細かいとこも目配りしていかないといけないですね。思ってた範疇を超えてしまったんで」スターダムが会見を開き、2月22日後楽園大会で行われたワールド・オブ・スターダム選手権、世IV虎vs安川惡斗戦で世IV虎が顔面パンチで惡斗に顔面骨折の重傷を負わせて騒動になったことを謝罪、世IV虎に関しては無期限謹慎と王座剥奪、選手権に関してもTKO勝ちからノーコンテストに変更となった。
根本的な原因は険悪な関係であり、また実力差のありすぎる二人のカードをフロント側が認めてしまったこと、週刊プロレスによると夏樹☆たいようと世IV虎のユニットである“川崎葛飾最強伝説”に惡斗が志願してユニットに加わったが、1年半後に惡斗が「カワカツのパシリを卒業したい」と一方的に離脱したことで世IV虎が怒り、険悪な関係となり改善されぬままなっていたという。
スターダム側が二人の関係を軽視してしまったのは1年半以上前の話であり、惡斗も昨年4月から12月まで病気で欠場したのもあって“過去のもの”としてしまったからかもしれない。
世IV虎は謝罪するだけに留めたが、一部マスコミでは世IV虎を追放すべきなのではという見出しもあった。もし居直ってセメントマッチを肯定するようであれば追放も仕方なかった、しかし本人が事の重大さに気づいて反省したのであれば救いはある、だからスターダムは世IV虎を無期限謹慎ながらも残すことにした、それはスターダム全体が敢えて全責任を取るという意味と捕らえていいと思う。
今後に関してはルールの厳罰化、顔面パンチの禁止などとしたが、プロレスはフォール、ギブアップ、場外カウント、反則カウントなどあるが、基本的にはあってないようなもの、レフェリーこそ最大のルールブックであり最大の権限を持っている、試合の流れ次第ではグーパンチもOKとされる、ルールを厳格化しすぎれば試合の面白みが半減する怖れもある。
今回の一件では仙台女子プロレスの里村明衣子が
「プロレス興行。
チケットを買ってくださったお客様は、何を求めてみに来られているのかを想像し、試合を通じてお客様に何を届けたいのかを考えます。闘いの中で、潰し合い、憎しみなどの感情が産まれる事はあります。
しかし、「プロ」の「レスラー」である以上
その感情を「最高のエンターテイメント」としてお客様と共有しなければいけない、お客様を闘いの場に引き込み共に闘う力とする責任があるのです。
それが「プロ」の「レスラー」の私達の役目だと思います。レスラー志望の選手は最初から野望高く、血の気が多い子が10代で入ってくる。
時に感情をコントロール出来ない【やんちゃ】な子がほとんどです。
それを毎日毎日人間関係や礼儀、練習を徹底管理する事は本当に大変な事です。うちも練習中のスパーリングでも、感情的になりケンカに発展する事は良くあります。
そうなった瞬間、髪の毛ひきずってでもリングから下ろすのが上の役目。
お前はプロじゃないと教える。
一線を超えたらプロレスで無くなるのです。
理性を抑える事を覚えさせる。全てが紙一重。
プロレスとは、きちんと相手と向き合い、闘いを通して、感動、信頼、楽しさ、生きる強さを伝える最高のエンターテイメントです。
新日本の棚橋選手が最後に【愛してまーす】の一言でファンと一体になる事こそが夢や希望を与える究極の良いパフォーマンスだと思います!
人様の子供を預かる身としては何かあってからでは遅いのです。その責任は私もしっかり考えたいと思います。」
とHPにて見解を出したが、選手がエキサイトしても最低限の冷静さを持っているし持っていなければいけない、ドリー・ファンク・ジュニアが「プロレスとはリアルとエンターテイメントのカクテルでなければいけない」と残しているとおり、リアルがあるとしても常に観客に見せるものではなければならない。
今回は団体側の至らなさから起きた事件、ルールの厳格化以前にスターダムが二度とこんな事態を起こさないためには、プロレスとは一体何なのかを見つめなおして欲しい。 -
プロレス多事争論「新日本ミクスと企業プロレス」
今年の日本マット界は「新日本ミクス」の一年だった。
今年の新日本は東京ドームを始め、横浜アリーナ、西武ドームなど大会場に進出するなど大攻勢をかけるだけでなく、インターネット配信サービスである「新日本プロレスWORLD」をスタートさせ会員が一万人を突破するなど、インターネットを主軸としたメディア戦略で今年も独り勝ちの状況を作り上げ、1980年ごろに新間寿氏が「プロレスブームではなく、新日本プロレスブーム」と発言したが過言ではない状況となった。
理由とすれば今まではブシロードのバックアップと新日本に対する団体がないからとしていたが、2014年の1年間に新日本と他団体の差は一気に広がって、簡単には追いつけない状況となり、完全に日本マット界の中心となって、今では新日本に対する団体はアメリカのWWEのみとなった。
今年は自分も大阪ボディーメーカーコロシアムを中心に14回も観戦に訪れたが、新日本プロレスと違って各団体の活気が違うことを感じざる得ず差が広がりすぎたことを感じざる得なかった。
これだけ差が広がった理由とすればインターネットというメディアを今まで以上に活用し新日本プロレスのブランド力を高めたこと、今までのマット界だったらスター選手がいたからこそプロレス団体というものが成り立ちファンやスポンサーが集まってきた。
しかし現在は看板というブランド力を高める時代、一個人のプロレス団体からブランド力を高めて企業プロレスへと脱却する時代になった、それが現在の新日本プロレスであり、今までのWWEの在り方だったと思う。
個人商店から企業プロレスへの脱却、新日本プロレスの場合はブシロードの力を借りてこそ個人商店から脱却できたが、各団体はブランド力を高めようとするだけで精一杯、2年連続で体制が変わった全日本プロレスは亡きジャイアント馬場さん、武藤敬司のWRESTLE-1、アントニオ猪木のIGFはまだ個人商店から脱することが出来ない。
他団体が追いつけないほどになった新日本の独走、独走がいつまで続くのか、そして独走が止まるときは来るのだろうか・・・さて今年のブログ更新も緊急ニュースがない限りこれで終わり、来年1発目の更新は2015年1月1日の元旦を予定してます。
また1月3日の午前0時から12月の月間MVP、ベストバウト、ベストシリーズの投票受付を開始します。
そして12月の月間MVP、ベストバウト、ベストシリーズの投票が終わると、2014年伊賀プロレス大賞の投票を12日の午前0時から開始します!投票をお願いします
ではよいお年を!