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伊賀プロレス通信24時「日常茶飯事(ちゃはんじ)」

略して「イガプロ!」、三重県伊賀市に住むプロレスファンのプロレスブログ!

プロレス多事争論2013 全日本プロレス分裂騒動② ホワイトナイトと中途半端な破壊者

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プロレス多事争論2013 全日本プロレス分裂騒動② ホワイトナイトと中途半端な破壊者

7月に白石伸生オーナーが自ら社長を就任して白石体制が発足、新体制となった全日本プロレスが再スタートを切ったが会見上社長だった白石氏が「リング上の闘いにおいてはより激しい『ガチンコ格闘プロレス』が私は好きなものですからを言い出したことで」とガチンコプロレスをアピールするが、秋山は「白石さんはガチンコという言葉をあまりご存じないんだと思います」と皮肉まじりのコメントを出した、秋山はおそらくだがこの時点で白石オーナーが何を言おうが無視する構えを見せていたのではと思う。


  秋山が全日本に留まった理由は内田氏から誘いを受けたがギャラは白石オーナーから支払われたこと、武藤敬司が旗揚げしても成功するかどうかもわからないことでのギャラの保障、諏訪魔と潮崎がライバル関係を築きつつあるということでその流れを壊したくない、白石オーナーとの話し合いで「王道復古」を掲げたのもあって全日本に留まる決心をしたが、発言がコロコロ変わる白石オーナーを信用しているわけではなく、白石オーナーの「ガチンコプロレス」発言も“女子高生が『ガチで~』と言っているレベル”と考えていた。


  白石オーナーは早速“王道復古”をアピールすべく、武藤体制で追われる立場となった和田京平レフェリーを名誉レフェリー、分裂騒動には中立の立場を保っていた渕正信を取締役相談役として復帰させ、新体制となっての新シリーズでは川田利明を来場させるなど“王道復古”をアピール、新体制となった最初の後楽園(7月15日)では952人と全日本旗揚げ以来始めて1000人台を割り込んでしまったが実数での発表だった。実数発表は白石オーナーの発案とされていたが、提案したのは秋山で「団体がふたつに割れたんだから、普通はお客さんの数も半分になると考えるんだろうけど、俺は3分の1になると考えるべきだと思うんですよ。全日本も武藤さんのところ(WRESTLE-1)も3分の1ずつ。残りの3分1は今回の騒動で嫌気がさして来てくれなくなると。そのくらいの厳しさだと思っていて間違いないですよ。だからこそ、みんなが現実を知らなきゃいけない。今までが1000人だったとしたら300人で当たり前。そこからどうやって増やしていくのかが重要なんですよ。だから会社には実数発表にしてくれって注文をつけました」と分裂後の全日本の現状を踏まえての発案だった。


  しかし白石オーナーはかねてからアカウントを設けていたツイッターで暴走を開始し始めた。Facebookは分裂前に閉鎖(現在復活も更新はしていない)していた、ツイッターはしばらくして放置となったが、白石オーナーは王道復古はあくまで建前でガチプロレスという自身の価値観を現場だけでなくファンにまで押し付ける姿勢は崩していなかったのだ。白石オーナーの暴走を懸念したのか、渕は白石オーナーのイメージアップを図るために白石オーナーと公開練習を行う。“ガチンコプロレス!! by 白石伸生”、背中には“プロレス最強伝説 2013年7月1日スタート”のTシャツを着込んだ白石オーナーが登場して渕だけでなく佐藤光留と公開スパーリングを行い、渕は数々の拷問関節技や受けた白石オーナーは、「プロレスの練習の方が総合の練習よりきつい」「肉体を酷使してるレスラーの苦労が報われるプロレス界にしないと、それが僕の革命。試合やってる選手に報いれるように経営努力します」と誓ったが、これに満足しなかったのかリングデビューを目論むようになる。

 

 白石オーナーはリングデビューを果たすために全日本のアドバイザーとして契約していた蝶野正洋を担ぎ出した、蝶野はアドバイザーとして全日本に携わっていたが分裂騒動に関しては武藤とは盟友関係であり、また白石オーナーとは旧知の間柄ということもあって双方につかず、契約した立場上全日本に留まっていたが中立を保ち肩書きだけのアドバイザーとなっていた。渕は白石オーナーのリングデビューには猛反対するが「この春の私の一言一言がプロレスファンの皆さんを傷つけてしまった。大いに反省しています。リング上で頭を下げても中々許してくれないでしょう。全日本が分裂したのもすべて私の責任であろうと思われてますから。それには少々異論があるんですが(笑)。ともかく私は身体を張ってプロレスファンの皆さんに贖罪をしたいんです。渕さんとの練習でも自分なりに身体を張りました。そして今度は蝶野さんとの試合。自分は身体がボロボロになっても構わない。自分なりの贖罪の方法はこれしかないと思ってます!」と押し切ってしまった。


  それと同時に しばらくして大仁田厚からも「来る8月31日に開催される「横浜大花火」ノーロープ有刺鉄線メガトン電流爆破&史上初!人間爆弾デスマッチに於いて、貴殿に「人間爆弾」として電流爆破を体感する事を要求する!
 貴殿がこれまで「線香花火」「ロートル」と揶揄してきた事に対する贖罪の気持ちがあるのならば、断る理由はどこにもない筈だ。」が声明文を発表。白石オーナーも全日本の公式HPで拒否の姿勢を示していたが、自分はその拒否を鵜呑みにすることが出来なかった。

 

 8月27日大田区総合体育館のビッグマッチで休憩中のエキシビジョンマッチとして衝撃吸収の特殊スーツを着用した白石オーナーのリングデビューが実現した、GAORAで視聴したが自分からしてみれば“茶番”であり贖罪ではなく白石オーナー自身の自己満足に過ぎなかった。休憩前に大森隆男戦を終えた秋山は「観に行った方がいいじゃないですか? 本日のメインイベントですよ。まあ、ここで蝶野&ジョーがどういう風にするのかしらないけど、お遊戯みたいなものが始まるんで」と皮肉っていた。リングデビューを終えた白石オーナーは社長辞任を表明して後方支援にまわることを発表した、後日週刊プロレスのインタビューで辞任理由を「学生なもので夏休みが終わるから」としていたが、会見の席上で青木篤志が「じゃあ、俺を舐めないでくださいよ。こうやって喋れるだったら、タイトルマッチ終わった後、もう一発やってもいい。覚えておいてくださいよ」と詰め寄ったっところを見ると選手たちからの猛反発が理由だったことが明らだった。


  31日の「横浜大花火」では拒否の姿勢から一転し人間爆弾として白石オーナーが登場、おおニタvs曙の化身であるKILLER“ANY”WHEREによる電流爆破マッチに、突然白石氏がリングに上がっておおニタに襲い掛かり、一緒に電流爆破に被弾、最後はおおニタが白石氏をカバーして3カウントとなったが、解説の高山善廣からは「なぜ白石のおっさんが上がったの、なんであのおっさんをカバーして終わりなの?」など批判の声が飛び交った。


  9月井上博多氏が後任の社長に就任するが、後方支援をしていたのは井上社長で前面に出るのは白石オーナー、「鎖国」「ガチプロレス」「把瑠都獲得」をアピールし後方にまわる気はない姿勢を示すどころか、ブログを開設し再び暴走することを予告する。白石オーナーがやっていることがどこが王道なのか?また白石オーナーの中で自身が掲げた王道復古が邪魔になってきていると思わざる得ず。自分も白石オーナーに好き勝手させている全日本に腹を立てていた。


  そこである日、秋山がFBで「単なる原点回帰では全日本プロレスの未来はない。王道という言葉に縛られなくていい。」と発言したことで、自分は眼から鱗が落ちる思いがした。秋山は王道に縛られていては新しい試みは出来ないと考えていたのだ、また馬場さんの未亡人である元子さんからも三冠統一ヘビー級王座の返還を要求され、全日本も新ベルトを製作することで返還に応じることになったが、事実上馬場さんと全日本との関係も切れ、全日本も馬場さんの王道にとらわれる必要はなくなった。


  10月から予告通りに白石オーナーがブログで暴走を開始、内容も相変わらず「ガチンコプロレス」「鎖国」「総合格闘技進出」の文字が出ていた。9月27日に公約通りに分裂騒動のお詫びをかねての無料興行を開催されたが、贖罪とお詫びはいったい何だったんだと思ってしまった、結局軽く考えていたということだと思うし無料興行もお詫びの意味ではなく見えっ張りの自己満足に過ぎないと感じた。


 白石オーナーの暴走再開を受けて現場側はオーナーの現場からの締め出しをオーナー本人に通告する、現場は白石オーナーの唱える「鎖国」とは真逆の「開国」を打ち出してZERO1とDDTと交流を開始した。「鎖国」を押し付ける白石オーナーがどうしても弊害になる、またブログの悪影響を考えて締め出しを考えたが、締め出しに腹を立てたのか白石オーナーはブログで暴走を続け、以降現場とオーナーは平行線となった。


  10月27日に両国大会の開催を決まるも白石オーナーは満足な後方支援どころか、自身のブログこそ最大の後方支援であり宣伝材料と考えたのか暴走し続け、挙句の果てには全国の全日本ファンに集結を呼びかける始末、これがどこが後方支援なんだと怒りたくなった。両国大会は曙が諏訪魔を破り新三冠王者、ドリー・ファンク・ジュニアが新PWF会長、潮崎の新ユニットと新しいものづくめの大会だったが観客動員は大惨敗、後方支援さえしっかりしていればもっと入ったのではと思った・・・


 11月に新シリーズが開幕しバーニングを離脱した潮崎、鼓太郎、青木が新ユニットXceedを結成、KENSOも加わったはずが開幕戦で潮崎を裏切りヒールユニットのKD軍を結成するなど新展開となった。秋山が「王道という言葉に縛られなくていい。」と発言したことでようやくリングに集中できる環境が整ったかと思いきや、白石オーナーがブログでヒールを否定し、ヒールに転向したという理由でKENSOに解雇通告をしたが、以降は白石オーナーのブログは放置となった。


  自分は12月8日に全日本プロレス大阪大会を観戦、全日本の試合を観戦するのは14ヶ月ぶりだった。実は分裂騒動時から観戦しようと思っていたのだが仕事や自身の都合で観戦の機会に恵まれなかった、やっと12月に観戦に機会を得たが、自分は全日本プロレスを見るのはこれが最後なのかもしれないと決めての観戦だった。最強タッグの最終戦だったが超満員札止めの大盛況、全日本は分裂時の長いトンネルからやっと脱しつつあると感じさせた。

 

 2回に渡って長文となったが2013年の全日本プロレスを振り返った。最後に白石伸生とは何だったのかというと、経営に苦しんでいた武藤からしてみれば“ホワイトナイト”であったが、自分らからしてみれば“中途半端な破壊者”だったのではと思う。白石伸生という人物によって全日本プロレスの看板を守れたのも事実であるが、その“ホワイトナイト”にもいろいろあるということ、自身でも意味がわかっていないのにも関わらず“ガチプロレス”という価値観を選手やファンに押し付け、そのために武藤を追い出すことを画策し、理解していないのにも関わらずジャイアント馬場さんの王道を担ぎ出した、白石オーナーは全日本プロレスだけでなくプロレス村そのものを破壊し自身による革命を打ちたてようとしていたが、自分は破壊するだけ破壊しといて、あとは放置したままで逃げていたのではと思う。そういった意味では“ホワイトナイト”を招いてしまった武藤にも分裂騒動の責任の一旦はあるのではないだろうか・・・


 現在の全日本はやっとトンネルを脱しつつあるが、いつ暴走するかわからない白石オーナーという不安材料を抱えたまま年を越す、今は平行線という均衡を保っているが、その均衡が破られるとき、全日本プロレスはどうなるかわからない・・

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